db1は1980年代にイタリアのbimota社が生産したオートバイです。当時、自社製のエンジンを持たず、もっぱら日本製スポーツバイクのエンジンを自社製フレームに載せていたbimotaが、初めて日本製以外、イタリアのDUCATI社のF1 PANTAH(750cc)のエンジンを積んだのがdb1です。 日本製バイクを丸ごと買い、エンジンだけを用いて製品を作るという特殊な作成方法により、完成コストは高くならざるを得ないbimotaですが、db1はDUCATI社からエンジン単体での供給を受けられたことにより、それまでの製品に比べて破格のプライスタグがつけられました。結果、db1シリーズはbimotaにとってそれまでになかったほどのヒット商品となり、経営を立ち直らせたのです。総生産台数が800台に満たないのに大ヒットというのも凄い話ですが....。ある意味で経営戦略上の製品という言い方もできるでしょう。 db1シリーズには、素のdb1、強化版のdb1s、もっと強化版?のdb1srの3種に加え、当時の日本の免許制度に対応してDUCATI F3(400cc)のエンジンを積んだdb1jもあります。ついでにレーサーとしてはdb1rってのもあるようですが....。 さて、db1って、どんなバイクなのでしょう?....いろいろと能書きを垂れたいところですが、実はまだ乗った距離が大したものではありません。「楽しい、どきどきする単車です」とだけ言っておきます。 |
db1 Family db1の身内
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●イタリアントリコロールの基本形 ●2本出しマフラー |
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●色違いのトリコロール(後期は白ベースに赤ライン) ●2in1集合マフラー |
Production db1の生産について
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生産年 |
公式発表 |
生産台数 |
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1985-1986 |
1985ミラノショー |
453台 注 |
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1986-1987 |
1986ケルンショー |
63台 |
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1986-1987 |
公式発表なし |
53台 |
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1987-1989 |
1987ミラノショー |
153台 |
注 db1の生産は448台が完成品として5台分はキットとして出荷 その殆ど(なんと360台前後!)は日本へ出荷されたということです |
Specifications 仕様諸元 db1jに関しては資料がありません
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db1 |
db1s |
db1sr |
ENGINE | |||
Stroke: |
4 | ||
Cylinders: |
2 | ||
Cooling: |
with air | ||
Geometry: |
"L" of 90。 | ||
Valves per cylinder: |
2 | ||
Bore x stroke: |
88x61.5 mm | ||
Piston displacement: |
748 cc | ||
Compression ratio: |
9.3:1 |
10.4:1 |
← |
Maximum power: |
70HP / 8,000 r.p.m. |
88HP / 9,500 r.p.m. |
90HP / 9,000 r.p.m. |
Maximum torque: |
6.2 Kgm / 6,500 r.p.m. |
--- |
7.4 Kgm / 6,800 r.p.m. |
Fuelling: |
2 Dellorto PHF36 |
2 Dellorto PHM41 |
← |
Lubrication: |
with wet crankcase | ||
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ELECTRIC SYSTEM | |||
Ignition: |
electric transistor | ||
Starting: |
electric | ||
Clutch: |
wet multiple plate 注 |
dry multiple plate |
← |
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TRANSMISSION | |||
Gearbox: |
5 speed | ||
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CHASSIS | |||
Frame: |
Steel Pipes with overhead tubeler rudder section | ||
Front suspension: |
telehydraulic fork with rebound adjustments Marzocci M1R | ||
Rear suspension: |
single shock absorber with rebound adjustments | ||
Wheelbase: |
1,400 mm |
1,380 mm |
← |
Front brake: |
double disc φ280 mm Brembo 2pod carriper |
← |
double disc φ280 mm Brembo 4pod carriper |
Rear brake: |
single disc φ260 mm Brembo 2pod carriper |
← |
single disc φ220 mm Brembo 2pod carriper |
Front tyre: |
130/60 VR 16 Pirelli / Michelin | ||
Rear tyre: |
160/60 VR 16 Pirelli / Michelin | ||
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DIMENSIONS | |||
Dry weight: |
165 kg |
160 kg |
← |
Fuel tank capacity: |
22 lt. | ||
Total length: |
1,960 mm |
2,000 mm |
← |
Total height: |
1,070 mm |
1,035 mm |
1,120 mm |
Max width: |
680 mm |
630 mm |
← |
Seat height: |
715 mm |
740 mm |
← |
注 db1の初期型はDUCATI F1の1型エンジン使用のため、3型を用いた後期型とは違いがある。クラッチは前期は湿式、後期は乾式が採用される。ヘッドも前期に比べると後期はビッグバルブ仕様となっており、プラグ径も異なることになります。 |
after db1 dbシリーズのその後
db1シリーズの成功後、bimotaは日本製エンジン搭載機種と並行してDUCATIエンジン搭載機種を開発・販売してゆくこととなります。 db1以前のbimotaは、最高の動力性能を持ったエンジンに最高のフレームワークを与えることを、その哲学としていたと思います。それは同時期に発表されたkb1(カワサキZ1000エンジン)とsb2(スズキGS750エンジン)とでは、全く違ったフレームを与えていることからも伺えるのではないでしょうか。その後のbimotaはhb2(ホンダCB900エンジン)kb3(カワサキZ1000Jエンジン)sb4(スズキGSX1100Sエンジン)に共通の構成のフレームを与えるように変化していきます。 企業としてのbimotaは何度も経営危機に陥っています。それを救ってきたのがdbシリーズだといえるかも知れません。dbシリーズは、同時期の他機種に比べると必ず安価なプライス設定がされています。別格であるtesiシリーズを除けばdbのすべてが水冷ではなく空油冷のDUCATIエンジンを用いていることに気付かされます。トップエンドのbimotaに対してエントリー用のbimotaという位置づけです。もちろん、それによってdbシリーズの価値が下がるということではありません(断言)。 私は良くできたフレームの有り難さをbimotaを手に入れてから感じられるようになりました。そういう楽しみを、以前に比べれば少ない負担で(といっても結構なモノですが)得させてくれるのがdbシリーズの真骨頂ではないかと、個人的には思っています。
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生産年 |
公式発表 |
生産台数 |
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1993-1995 |
1992ケルンショー |
408台(フルカウル285台ハーフカウル123台) |
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1994-1995 |
公式発表なし |
106台 |
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1994-1996 |
1993ミラノショー |
157台 |
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1997-1998 |
公式発表なし |
100台(フルカウル75台ハーフカウル25台) |
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1995-1998 |
1994ケルンショー |
454台 |
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1999- |
1998ミュンヘンショー |
さて? |
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2000- |
1999ミラノショー |
どう? |
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いわゆる「db」という機種名は付きませんが、DUCATIエンジンの bimota といえば外すわけにはいかないのが tesi シリーズでしょう。テレスコピックフォークの問題点をスイングアーム支持とハブステアを用いて解決しようとした近未来を思わせるシリーズでした。私はまだ乗ったことはありません。が、押したことはあります(「何かあったら」と思うと踏み切れなかった.....笑)。ブレーキかけても前のめりにならない。それだけでも十分違いは分かりました(?) 後にdb2の設計をすることになるP.L.マルコーニ技師によりHONDA VF400Fのエンジン用いた最初のプロトタイプが発表されたのは1983年のミラノショー。このプロトタイプ1は、油圧作動のステアリングやカーボン・アルミ・ケブラーなどの複合素材を用いたフレームなど、恐ろしいほどの意欲作でした。その後、tesiはVF750Fエンジンを用いたプロトタイプ2と3、YAMAHA FZ750エンジンを用いたプロトタイプ4を経て、1988年にはDUCATI 851エンジンを用いたプロトタイプ5へと進化します。 以下の生産型 tesi は日本仕様のJを除いてすべて水冷のDUCATIエンジンを用いています。
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1990-1991 |
1990ケルンショー |
127台 |
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1991-1992 |
公式発表なし |
20台 |
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1992-1993 |
公式発表なし |
144台 |
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1992-1993 |
公式発表なし |
50台 |
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1993 |
1992ケルンショー |
50台 |
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1994 |
1994ケルンショー |
25台 |