●お米を手早く洗う
米を洗うということは、お米の表面についているヌカを落とすことです。ゆっくり洗うと、
ご飯がヌカ臭くなってしまいます。まず、たっぷりの水で数回軽く混ぜるようにして手早く洗い
すぐに水を捨ててください。その後2〜3回水を換えて洗い、最後は水気をきちんときりましょう 。
●水加減を調節する
水加減でご飯のおいしさが左右されます。炊飯器の目盛はあくまでも目安です。お米を計ったカップすりきれ1ぱい
で、1のメモリが標準です。おいしいご飯を炊くための水加減は、新米の場合、少し少な目に、6、7月になったら
すこし大目がよろしいようです。軟らかめときには水を多めに、硬めの場合には水を少なめにするとよいでしょう
正確にいいますと、お米の重量にたいして、新米の場合、お水は、1.3倍の重量、6.7月になりましたら、
1.4倍が最適と思われます
●お米に十分水を吸わせる
ふっくらしたご飯を炊くには、炊く前に十分水に浸して、お米に水分を吸わせることがポイントになります。水に浸
しておく時間は水温によって異なります。夏なら30分くらい、冬は2時間くらいがよいでしょう。
●ご飯をじっくり蒸らす
蒸らすことで、ご飯の粒の水分が均一になります。蒸らしが十分でないと、水っぽいご飯になってしまいます。蒸ら
し機能のない炊飯器の場合は、スイッチが切れた後、そのまま10〜15分ほどおいてください。蒸らしている途中でふ
たを開けることは禁物です。
●しゃもじでほぐして最後の仕上げ
ご飯を炊きあがったままにしておくと、蒸れ固まってしまいます。蒸らした後はできるだけ早くご飯をほぐしましょ
う。余分な水分が逃げてふっくらとしたご飯ができあがります。釜の底の方から掘りおこすようにふんわりと、しゃ
もじで混ぜます。
●食味
お米のおもな成分は、水分・でんぷん・たんぱく質・脂質・ミネラルで、これらが一定の数値でバランスよく配合さ
れているお米がおいしいとされています。 さらに、でんぷんにはアミロースとアミロペクチンの2種類があり、ね
ばりとかたさのバランスは、この2種の比率によって決まります。 アミロペクチンが多いお米は、ねばりがあり、ほ
どよい歯ごたえがあります。一方、アミロースが多いお米はかたく、パサパサしています。 しかし、アミロースが少
ないとおいしいというわけでもなく、コシヒカリは含有バランスが理想的といわれています。
●基本が大切
ご飯をおいしく炊くには、洗米、水加減そして蒸らしなど、いくつかのポイントがあります。最近は、マイコン型自
動炊飯器などにより、おいしいご飯が簡単に炊けるようになりましたが、基本はしっかり身につけておきたいもので
す。
●お米は栄養バランスの優等生
米を食べると太りやすいと思われているかも知れませんが、これは大きな誤解。米は良質の植物性タンパク質を多く
含んでいるばかりでなく、糖質・脂質・灰分・カルシウム・ビタミンB類などもたくさん含んでいます。
●美味しいお米の選び方
私たちは食べ物のおいしさを舌だけでなく、五感を使って味わっています。中でも、お米のねばりと堅さのバランス
を左右するのが、アミロースというでんぷんです。以下に多くの人が感じるおいしいご飯のおもな条件をあげまし
た。
視覚:色が白く、つやがあり、つぶの形が良い
聴覚:かむとき音がほとんどしない
嗅覚:風味がある
味覚:いくらかんでも味が変わらず、多少油っこい感じと、なんとなく甘い感じがするが無味に近い
触覚:あたたかく、ご飯つぶがなめらかでやわらかく、ねばりと弾力がある
●お米の保存は適した場所で
お米の保存には家庭内の比較的涼しい場所を選び(10〜15度)、 高温・湿気・直射日光を避けることが大切です。米
びつなどの容器に入れている場合は、定期的に米びつを空にして、内側をきれいに拭いて乾燥させましょう。夏場は
厚手のビニール袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存するのもよいでしょう。
●低農薬米・有機栽培米
日本の経済の成長にあわせて、農業も大型の農業機械や農薬をたくさん使うようになりました。農薬をたくさん使う
ことは、農家や消費者の健康をそこねることになります。そこで、農業のなかに自然をとりもどそうという動きが出
てきました。たとえば、土に対してできるだけ化学肥料を使わないようにして、有機物(自然の肥料など)を使うと
いったことです。このような有機的な栽培方法で作った「農薬をできうるかぎり使わない米」を低農薬有機栽培米と
いっています。